コレステロールは身体に悪くないってほんと?
そもそもコレステロールって何ですか?
分かりやすく解説するね!
コレステロールと聞くと、「からだに悪い」といったイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。
しかし、コレステロールは私たちのカラダになくてはならない存在です。
とはいえ、何がどんな働きをしているのか気になりますよね?
そこでこの記事では、意外と知らないコレステロールについて詳しく解説していきます!
- コレステロールとは何か?
- コレステロールの種類(LDL・HDL)
- なぜコレステロールが値が重要なのか
- コレステロール値を下げる方法
コレステロールの適切な摂取量なども解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
- サッカー歴 16年(全国優勝)
- トレーニング歴 6年
- サプリメント使用歴 6年
コレステロールとは
コレステロールとは、脂質の一種です。
悪影響を及ぼすイメージがありますが、細胞膜やホルモン・胆汁酸の材料になるなど、私たちのカラダに欠かせない重要な役割を担っています。
また、カラダに必要なコレステロールは2〜3割が食品から摂取されるのに対し、7〜8割は肝臓で糖質や脂肪酸から合成されます。
合成される量は摂取量に比例して調整されるため、体内のコレステロールは一定に保たれています。
コレステロールの種類
コレステロールの種類を理解するには、コレステロールの性質を知っておきましょう!
コレステロールは血液によって全身へ運ばれます。しかしコレステロールは脂質なので、そのままでは水分や血液に溶けません。
そのため、特殊なタンパク質と結合して「リポタンパク質」という状態になって血液中を移動します。
このリポタンパク質の一種が「LDL」と「HDL」であり、LDLに入っているコレステロールをLDLコレステロール、もう一方をHDLコレステロールと呼びます。
では、LDLコレステロールとHDLコレステロールにはそれぞれどんな違いがあるのでしょうか?
LDLコレステロールとHDLコレステロールの違い
LDLコレステロールとは、悪玉コレステロールと呼ばれているものです。
悪玉と呼ばれる理由は後述しますが、LDLコレステロールは主に肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割を持ちます。
一方のHDLコレステロールとは、善玉コレステロールと呼ばれているものです。
LDLが全身に運ぶ役割を担うのに対し、HDLは全身の細胞や血管壁にたまったコレステロールを回収して肝臓に運ぶ役割を持ちます。
LDL:コレステロールを肝臓から全身に運ぶ
HDL:全身のコレステロールを回収して肝臓に運ぶ
なぜコレステロール値が重要なのか
LDLコレステロールや中性脂肪が増えすぎたり、HDLコレステロールが少ない状態を脂質異常症と呼びます。
脂質異常症によって血液中のLDLコレステロールが増えすぎると、血流が悪くなって動脈硬化のリスクが高まり、心筋梗塞や脳梗塞につながる可能性が高くなります。
しかし、逆に少なすぎると脳出血の原因にもなることから、LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれています。
また、LDLコレステロールだけでなく、中性脂肪も血管を障害することがわかっています。
このような脂質異常症によるリスクを下げるためにも、コレステロール値を把握しておくことは非常に重要になります。
では、コレステロール値や中性脂肪の値を把握するにはどうすれば良いのでしょうか?
血中脂質の基準値を知る
コレステロール値や中性脂肪の値を知るには、血液検査によって血中脂質を知る必要があります。
血中脂質とは、これまで解説してきたLDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪(TG)などを指します。
この血中脂質には基準値があり、いずれかが以下の基準値を超えていると脂質異常症と診断されます。
血中脂質 | 基準値 |
---|---|
LDLコレステロール | 140mg / dL以上 |
HDLコレステロール | 40mg / dL未満 |
中性脂肪(TG) | 150mg / dL以上 |
この基準値を知ることで、コレステロール値や中性脂肪の値を把握することが可能になります!
すでに健康診断等の検査を受けている方は、いまいちど検査結果を確認してみてください!
1日のコレステロール摂取量
結論から言うと、コレステロールの1日の摂取量は制限が設けられていません。
というのも、2013年にアメリカの心臓病関連の学会であるACC/AHAが、コレステロールの摂取量に制限を設けないと発表しました。(※1)
これに続き、日本でも2015年に日本動脈硬化学会が同様の発表を行い、コレステロールの摂取制限が撤廃されました。
コレステロールの摂取量に制限がないのは、これらが背景となっています。
とはいえ脂質異常症の重症化を予防すべく、コレステロールの摂取量は200㎎/日未満に留めることが望ましいとされています。(※2)
コレステロールを多く含む食品
コレステロールの摂取量に制限はないとはいえ、普段の食事はできる限りバランスの良いものを心がけるべきです。
ここでは、コレステロールを多く含んだ食品を一部紹介します。
食品名 | 含有量 |
---|---|
たまご(卵黄) | 1,400mg |
鶏レバー | 370mg |
あん肝 | 560mg |
砂肝 | 200mg |
カステラ | 160mg |
シュークリーム | 230mg |
たらこ | 350mg |
いくら | 480mg |
すじこ | 510mg |
どの食品も、ついつい食べてしまうものばかりですよね…
これら食品にはコレステロールが多く含まれているので、食べる機会が多い方は知っておくだけでも効果ありだと思います!
なお、コレステロールに限らず、何事も過剰に摂取して良いことはあまりありません。
コレステロールを下げる方法
コレステロール値が高い場合、生活習慣と食生活を意識的に見直す必要があります。
それぞれどのような点に注意すべきか解説していきます!
①生活習慣を見直す
生活習慣の面では、喫煙と運動です。
喫煙は、HDL(善玉)コレステロールの数値を下げてしまうため、喫煙習慣のある方は、可能であれば禁煙が望ましいでしょう。
また、適度な運動を取入れることで、HDLコレステロールの数値を上昇させる作用があります。
②食生活を見直す
食事内容で特に注意したいのは「飽和脂肪酸・トランス脂肪酸・コレステロール」の3つです。
飽和脂肪酸は、肉などの動物性脂肪やバター・ラードに多く含まれ、血中コレステロールの増加や動脈硬化のリスクを高めることがわかっています。
トランス脂肪酸はポテトチップスなどのスナック菓子やマーガリンに多く含まれ、LDLコレステロールを増加させるため、可能な限り控えることが望ましいです。
一方で、青魚に多く含まれるDHAやEPAなどは、LDLコレステロールや中性脂肪を低下させる働きがあります。
加えて、冠動脈疾患や脳卒中・糖尿病などの予防効果を示す可能性があるため、青魚を食事に取り入れることも望ましいでしょう!
- 飽和脂肪酸を避ける
- トランス脂肪酸を避ける
- DHA・EPAを積極的に摂る
ぜひこの3つを意識してみてね!
まとめ
今回は、コレステロールについて解説しました!
コレステロールは、悪玉・善玉という名称がつくため悪いイメージを持たれがちですが、どちらも私たちのカラダに欠かせないものです。
定期的に健康診断を受けるなどして、普段からコレステロール値を把握しておくことが大切です。
今回紹介した食生活や生活習慣を心がけ、コレステロールと上手く付き合えるようにしましょう!
【参考文献】
※1:RH, et al. 2013 AHA/ACC Guideline on Lifestyle Management to Reduce EckelCardiovascular Risk. Circulation 2014;129(25 Suppl 2):S76-99
※2:厚生労働省 / 日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書
本サイトは情報提供ならびに知識向上を目的としたものであり、専門的な医療アドバイスを目的としたものではありません。
ご自身の健康・心身状態に何らかの懸念点がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。