痩せると噂のHMBの効果を知りたい!
こんな悩みにお答えします!
最近何かと話題のHMB。プロテインに次いで急速に認知が広まっています。
しかし残念ながら、「HMBは飲むだけで〇〇」という誤った認識を持った方も少なくありません。
それもそのはず。悪質な広告による影響のほか「HMBの役割や効果を正しく解説しているサイトは多くないからです。
そこで今回は、HMBの真実をどこよりも詳しく解説していきます!
まずは「HMBとは何か?」について解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
- HMBってなに?
- HMBの種類と効果
- HMBを飲むタイミング
- HMBは本当に痩せるのか?
HMBとは?
HMBとは、ベータ・ヒドロキシ・ベータ・メチル酪酸(β-Hydroxy-β-MethylButyrate)の略で、「3-ヒドロキシイソ吉草酸」と呼ばれています。(名称は覚えなくて大丈夫です!笑)
HMBは、必須アミノ酸のロイシンが体内で変換された物質(ロイシンの代謝産物)です。つまり、HMBを摂るにはロイシンを摂る必要があります。
しかし、ロイシンからHMBに変換される割合が非常に低いことがネックとなっています。そのため、ロイシンを摂らなくてもHMBを効率よく摂れるようにしたものがHMBサプリメントです。
HMBと検索すると「HMBはサプリメントです」などと解説しているサイトがありますが、前提としてHMB自体はサプリメントではないので注意してください。
よく間違えるポイントなのでしっかりと整理しておきましょう!
HMBは「筋萎縮防止・筋肉維持・必要量のタンパク質を摂りづらい人」のために、アイオワ大学にて開発された背景があります。(※1)
HMBの効果【重要】
ここからはHMBの効果を解説していきます!
HMBがもたらす効果は主に以下2つです!
- 筋肉の合成促進
- 筋肉の分解抑制
それぞれの効果を具体的にみていきましょう!
効果1: 筋肉の合成を促進
1つめのHMBの効果は、筋肉の合成促進です。
HMBを摂取すると、細胞を増殖・成長させる「mTORシグナル伝達経路」が活性化されます。
この経路が活性化されることで、筋タンパク質の合成が促進され、筋肉の合成につながります。
この流れをまとめると以下の通りです。
また、HMBだけでなく、ロイシンにもこの経路を活性化させる作用があることが確認されています。(※2, ※3)
効果2: 筋肉の分解を抑制
2つめのHMBの効果は、筋肉の分解抑制です。
人間の生命維持において必要以上の筋肉は不要なため、私たちの体には「タンパク質を分解するシステム」や「筋肉の発達を抑制する物質」が存在します。
それらを「①ユビキチン・プロテアソーム系」と「②ミオスタチン」と呼びます。
せっかく鍛えた筋肉が分解され、発達が抑制されては困りますよね。。。
そこで活躍するのがHMBです!
HMBには、「ユビキチン・プロテアソーム系」や「ミオスタチン」を抑制する作用があります。
この流れをまとめると以下の通りです。
HMBの種類
筋肉の発達に関与するHMBには、大きく分けて2種類あります。
それぞれ吸収速度や効果を発揮するピーク濃度に大きな違いがあります。
ここからは2種類のHMBについて詳しく解説していきます!
HMB-CA(カルシウム結合)
HMB-CAとは、HMBをカルシウムに結合させて安定化させたもので、一般的に普及しているHMBのほとんどがこれに該当します。
形状は、粉末やタブレットが一般的で、吸収速度が遅いのが特長です。また、含有量の内訳は「80%がHMB・20%がカルシウム」となっています。
また、HMB-CAが身体に吸収されるにはHMBがカルシウムから分離される必要があるため、ピーク濃度を迎えるのは摂取から約2-3時間後になります。
プロテインでいう、ゆっくり吸収されるカゼインプロテインに例えると分かりやすいと思います。
HMB-FA(遊離酸)
HMB-FAとは、HMB-Free Acidの略で、HMB遊離酸を指します。
形状は液体で、吸収速度が非常に速いのが特長です。含有量についてはHMB-CAとは異なり、100% HMBで構成されています。
また、HMB-FAは液体なので消化を必要としないため、筋肉や血中に取り込まれる速度が非常に速く、摂取から約30分でピーク濃度を迎えます。
プロテインでいう、ホエイプロテインに例えると分かりやすいと思います。
HMBの摂取量とタイミング
筋肉の発達に欠かせないHMBですが、ただ闇雲に摂取すればいいわけではありません。
HMBの効果を最大限引き出すには、適切な摂取量と摂取タイミングを知る必要があります。
ここからは、HMBの摂取量と摂取タイミングを紹介していきます。
HMBの適切な摂取量
HMBの効果を最大限に得るための効率的な摂取量は、1日あたり3gとされています。
冒頭と重複しますが、HMBは必須アミノ酸「ロイシン」の代謝産物です。
そして、ロイシンが体内でHMBに変換される変換率は約5%です。そうです、たった5%なんです。
つまりHMBを3g摂取するには、ロイシンを60g摂取する必要があります。(以下の計算式を参照)
ロイシンを多く含む食品として「牛肉・マグロ・卵」などがありますが、ロイシン60gを食事から摂取しようとするとカロリーオーバーになるほか、コストもかかるため現実的ではありません。
だからこそ、HMBサプリメントを活用して効率的にHMBを摂取するのが望ましいと言えます。
HMBの摂取量を「3g」と「6g」で比較した研究では、有益効果としてはほとんど差がなかったという結果が出ています(※4)
HMBの摂取タイミング
HMBの摂取タイミングについては正解はなく、基本的にいつでもOKです!
実際、筆者はバルクスポーツのHMB-CAを1日4回に分けて摂取しています。
ただし、吸収速度を考慮したうえで摂取に適したタイミングはあるので、以下をご参考ください。
- ロイシンが不足しているとき
- 就寝前など
- トレーニング前
- トレーニング後
HMBを摂取する際の注意点
HMBは一度に多く摂取すると尿として排出されるので、1日3gを目安に3〜5回に分けて摂取してみてください。
なお、HMB-FA(遊離酸)は摂取した際に酸性になる傾向があり、吐き気や気持ち悪さを伴う可能性もあります。
その場合は、HMB-FAを単体で摂ることは避け、プロテインや牛乳・豆乳などの乳製品、もしくは食事と一緒に摂取すること推奨します。
また、HMB-FAは非常に高価なため、コスト面を考慮しながら継続して摂取できる方を選択すると良いでしょう!
参考までに、2種類のHMBの価格(1ヶ月分)を紹介しておきます。
HMB(種類) | 価格 |
---|---|
HMB-CA (Bulk Sports) | 3,299円(税込) |
HMB-FA (HALEO) | 13,500円(税込) |
HMBを飲むだけで痩せるのは嘘?
HMBを飲めば痩せるの?
結論、痩せません。
このように、「HMBは飲むだけで〇〇」という認識の方も多いと思います。
しかし先述の通り、HMBの効果は「筋肉の合成促進」と「筋肉の分解抑制」です。
また、HMBに限らず、飲むだけで痩せるサプリなどはこの世には存在しません。
なぜHMBは効果がないと言われるのか
では、なぜ「HMBは効果がない・痩せるのは嘘」と言われるようになってしまったのでしょうか。
ここでひとまず、日本国内でHMBが注目されるようになったキッカケを振り返ってみましょう。
悪質な広告
皆さんはひと昔前に、SNSやYouTueで以下のような広告を見たことはありませんか?
- 飲むだけで身体が引き締まる!
- 飲むだけで筋肉が増える!
- プロテインの〇〇倍の効果!
これらは数年前に、流布したHMBの広告です。
芸能人を起用して大々的な効果を謳った広告がSNSやYouTubeを中心に流れ、一気にHMBの認知が広がりました。
しかし、購入者の大半が普段からエクササイズやダイエットに取り組んでいない方でした。
当然、期待した結果は得られなかったため、騙されたと感じるユーザーが跡を絶ちませんでした。
こうした背景から、「HMBは効果がない・嘘」などのネガティブな情報やイメージが普及してしまいました。
しかしここまで読んでくださった方は、すでにHMBが持つ効果や摂取量、適切な摂取タイミングなどを理解できたと思います!
HMBに限らず、あらゆるサプリメントの誘惑的な広告が流れてきても騙されないでくださいね!
まとめ:HMBは迷わず摂取したいサプリ
今回はHMBについて解説しました!
正しく摂取することで、HMBは非常に有益な効果をもたらすことが理解いただけたと思います!
偏った食生活やタンパク質不足の状態でHMBを摂取しても、HMB本来の効果は期待できません。基本となる食事や栄養をしっかり摂取できていてこそ、HMBの効果を最大限に得ることができます。
また、HMB-CAはHMBとカルシウムが結合したものとお伝えしましたが、なかにはHMBの含有量が非常に少ないものなども存在します。
購入される際は成分ラベルを必ず参照し、HMBの含有量を確認するようにしましょう!
【参考文献】
※1:Effect of leucine metabolite β-hydroxy-β-methylbutyrate on muscle metabolism during resistance-exercise training
※2:Anabolic effects of leucine-rich whey protein, carbohydrate, and soy protein with and without β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB) during fasting-induced catabolism: A human randomized crossover trial
※3:Anabolic effects of leucine-rich whey protein, carbohydrate, and soy protein with and without β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB) during fasting-induced catabolism: A human randomized crossover trial
※4:Beta-hydroxy-beta-methylbutyrate ingestion, Part I: effects on strength and fat free mass
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ご自身の健康・心身状態に何らかの懸念点がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。