食物繊維って何が健康にいいの?
そんな疑問にお答えします!
第6の栄養素とも言われる食物繊維。
カラダに良いのは知ってるけど、具体的に何が良いのか知らない人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、実はあまり知られていない「食物繊維」について詳しく解説していきます!
整腸作用や血糖値上昇の抑制など、食物繊維が持つ効果なども詳しく解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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食物繊維とは?
食物繊維とは炭水化物の一種であり、人の消化酵素で消化できない「難消化性成分」です。
肉・魚・卵などに多く含まれる「タンパク質・脂質・糖質」などは通常、消化管を通じて消化酵素によって分解(消化)され、小腸から体内へ吸収されます。
しかし、食物繊維は消化酵素によって分解(消化)されないためエネルギーにならないほか、小腸で吸収されずに大腸まで到達します。
また、食物繊維は炭水化物を構成する要素の1つと言いましたが、炭水化物は「糖質」と「食物繊維」から構成されています。(図を参照)
意外と知らない方も多いので、ここで一度整理しておきましょう!
食物繊維の種類
食物繊維は主に「水溶性」と「不溶性」の2つに分類されます。
それぞれどのような効果や特徴があるのか見ていきましょう!
水溶性食物繊維とは?
水溶性食物繊維は水に溶けやすく、粘性と吸着性があるのが特徴です。
腸内で水分を吸収して栄養素の吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。
そのほか、コレステロール値の低下や高血圧の予防にも効果があります。
- 脂質の消化吸収を抑えてくれる
- 血糖値の急上昇を抑えてくれる
- ナトリウムの排出を促してくれる
不溶性食物繊維とは?
不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維で、高い保水性が特徴です。
胃や腸のなかで水分を吸収して便の体積(かさ)を増やし、有害物質を吸着して、便と一緒に体外に排出してくれます。
そのため、腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれると言われています。
- 便を柔らかくしてくれる
- 便の体積を増やしてくれる
- 排便をスムーズにしてくれる
- 有害物質を吸着して排出してくれる
食物繊維の効果と働き
食物繊維の効果といえば「便秘解消」がよく知られていますが、それ以外にもさまざまな効果をもたらします。
ここからは食物繊維の効果と働きを詳しく解説していきます!
効果①:便秘解消
便秘解消には、主に不溶性食物繊維が関与します。
不溶性食物繊維は体内で水分を吸収し、便の体積(かさ)を増やします。
かさが増えた便は腸壁を刺激するため、排便をスムーズにしてくれます。
効果②:整腸作用
整腸作用とは腸内環境を整えることを指し、水溶性・不溶性の両方が関与します。
どちらの食物繊維も、大腸内の細菌によって発酵・分解され、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の餌になります。
これによって腸内で善玉菌が増えるため、腸内環境が整えられて腸内フローラが改善されます。
そして何より、腸内環境を整えることは腸の病気予防にもつながります。
効果③:血糖値上昇の抑制
水溶性食物繊維は、糖の吸収速度を緩やかにし、血糖値の上昇速度を抑える効果があります。
これにより、食後の高血糖を防ぐことができるので、糖尿病などの予防につながります。
なお、血糖値の上昇度合いは「GI値(Glycemic Index)」で示されます。
GI値を簡単に説明すると、GI値が高い食品ほど体内で急速に消化・吸収され、血糖値を急激に上昇させます。
逆に、GI値が低い食品ほど消化・吸収は遅いため、血糖値の上昇は緩やかになります。
- GI値が高い食品:血糖値が急激に上昇
- GI値が低い食品:血糖値の上昇が緩やか
効果④:コレステロール値の低下
水溶性食物繊維の働きは、血糖値の上昇速度を緩やかにするだけではありません。
水溶性食物繊維は吸着性があるため、小腸でコレステロールや胆汁酸を吸収して体外に排出することで、血中のコレステロール値も落としてくれます。
こんなにあったなんて知らなかった!
ここに述べた4つ以外にも、脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して体外に排出する効果もあります。
そのため食物繊維は、過剰摂取による肥満や生活習慣病の予防・改善にも効果があると期待されています!
食物繊維を多く含んでいる食品
食物繊維を多く含む食品がしりたい!
リストにまとめてみたよ!
食物繊維を多く含んだ食品一覧
食物繊維は主に、「穀類・豆類・野菜類・果物類・きのこ類・藻類」などの植物性食品に多く含まれています!
食品名 | 水溶性 | 不溶性 | 総含有量 |
---|---|---|---|
オートミール | 3.2g | 6.2g | 9.4g |
ライ麦パン | 2.0g | 3.6g | 5.6g |
いんげん豆 | 3.3g | 16.0g | 19.3g |
納豆 | 2.3g | 4.4g | 6.9g |
れんこん | 0.2g | 1.8g | 2.0g |
ごぼう | 2.3g | 3.4g | 5.7g |
オクラ | 1.4g | 3.6g | 5.0g |
干しがき | 1.3g | 12.7g | 14.0g |
椎茸 | 0.4g | 5.1g | 5.5g |
乾燥ひじき | – | – | 51.8g |
食物繊維 1日の摂取量目安
ここからは、食物繊維の摂取目安量について解説します。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」によると、18〜64歳の日本人の1日当たりの食物繊維の摂取目標量は、男性21g以上・女性18g以上とされています。
これに対し、現代の日本人の平均摂取量は約14g前後と推定されています。
では、不足するとどうなるのでしょうか?
実際に、食物繊維が「不足している場合」と「過剰摂取した場合」に分けて見ていきましょう。
食物繊維が不足している場合
食物繊維の摂取量が不足してしまうと、これまで述べてきた効果が得られなくなります。
さらに、腸内環境が悪化するため便秘になりやすくなるほか、不足状態が長期的に続くと、腸の病気や生活習慣病の発症率が高くなると言われています。
食物繊維を過剰摂取した場合
一般的な食生活であれば過剰摂取に陥る心配はないとされています。
ただし、加工食品などで食物繊維が添加された食品を摂りすぎた場合、軟便になることがあります。
また、明らかに大量摂取した場合は、他の栄養素の吸収率を妨げる恐れがあると言われています。
いずれにしても、目安摂取量を目標に摂取していくことが望ましいでしょう。
まとめ:食物繊維は積極的に摂るべき
今回は、食物繊維について解説しました!
食物繊維はひと昔前まで注目されていませんでしたが、実際は便秘解消や生活習慣病の予防・改善など、さまざまな効果が期待されています。
現状、日本人の平均摂取量は不足していると言われていますが、できる限り精白されていないものを摂取することで改善が可能です。
例えば、「白米を玄米に・食パンをライ麦パンにする」など、日々の食生活に少し工夫を加えることで、効率よく食物繊維を摂取することができます!
本記事のポイントを押さえて、ぜひ食物繊維を多く含んだ食品を選んでみてください!
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ご自身の健康・心身状態に何らかの懸念点がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。