食事制限にはPFCバランスが大事と聞いたんですが、そもそもPFCって何ですか?
こんな悩みにお答えします!
ダイエットや身体作りに欠かせないのが食事です。
しかしダイエットにも様々な方法があり、結局どれがいいのか分からず継続できない方も多くいます。
そこで今回は、ダイエットや食事制限に欠かせない「PFCバランス」について解説していきます!
この記事を読むことで食品ごとのカロリー計算ができるほか、好きな物を食べながら悩むことなくカロリーをコントロールできるようになります!
- 三大栄養素の働き
- PFCとは?
- PFCバランスの計算方法
モデルケースを活用しながら詳しく解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
- サッカー歴 16年(全国優勝)
- トレーニング歴 6年
- サプリメント使用歴 6年
PFCバランスとは?
PFCバランスを理解するには、まず「PFCとは何か?」を知る必要があります。
図の通りPFCとは三大栄養素のことで、Protein=タンパク質、Fat=脂質、Carbohydrate=炭水化物の頭文字の総称です。
この三大栄養素が、摂取カロリーのうち何割を占めているか表したものをPFCバランスといいます。
また、三大栄養素は摂取量が多く、グラム単位で表されることから、「マクロ栄養素」とも言われます。
皆さんがダイエットについて調べる際、これらの言葉が散見されると思いますが、「PFC=三大栄養素(マクロ栄養素)」であることを整理しておきましょう!
- P:Protein / タンパク質
- F:Fat / 脂質
- C:Carbohydrate / 炭水化物
三大栄養素の働きと役割
三大栄養素(マクロ栄養素)は、それぞれ働き・役割が異なります。
ここからは、三大栄養素の働きについて詳しく解説していきます!
タンパク質の働き・役割
私たちの身体の約60%は水分ですが、約15-20%はタンパク質でできています。タンパク質は、骨や筋肉・臓器・血管・皮膚・髪など、身体組織の主成分になります。
タンパク質が不足すると筋肉が衰えたり体調を崩しやすくなる可能性が高くなると考えられています。
また、人のタンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、非必須アミノ酸(11種)と必須アミノ酸(9種)に分類されます。
アミノ酸って何?という方は以下記事を参考にしてみてください!
脂質の働き・役割
脂質は、細胞膜の成分やホルモンの材料となっているほか、臓器を衝撃から保護したり、体温を保つ働きがあります。
また、油脂に溶ける脂溶性ビタミンである「ビタミンA・D・E・K」などの吸収にも役立っています。
そのため脂質が不足すると、皮膚のカサつきやビタミン欠乏になるリスクがあるほか、エネルギー不足で疲れやすくなったり、カラダの抵抗力が低下する可能性があります。
一方で、体内で消費せずに余った脂質は体脂肪として体内に蓄えられるため、肥満につながる恐れもあります。
炭水化物の働き・役割
炭水化物は主に、脳やカラダを動かすエネルギー源となる栄養素です。
エネルギー源になる糖質と、消化吸収されずエネルギーにならない食物繊維で構成されています。
炭水化物が不足すると疲労感や集中力低下につながるほか、ブドウ糖が必要な脳や神経組織で供給不足が起こると意識障害を起こすこともあります。
糖質と食物繊維って聞いたことあるけど分からないなぁ…
糖質ってなに?食物繊維ってなに?という方は、以下記事を参考にしてみてください!
PFCのカロリーを把握する
PFC(三大栄養素)の働きや役割を理解したら、次に重要なのが「カロリー計算」です。
PFC(三大栄養素)を摂取した際に生じる1gあたりのカロリーは以下の通りです。
- P:4kcal / g
- F:9kcal / g
- C:4kcal / g
鋭い方はお気付きかと思いますが、PとCを1gずつ摂取したときよりも、F(脂質)を1g摂取したときの方がカロリーが高いということになります。
つまり同じ量を食べても、食品によってカロリーが全然違うことを意味します。例を見てみましょう。
サーロイン(100g)
カロリー:330kcal
P:14g
F:27.8g
C:0.7g
白米(100g)
カロリー:168kcal
P:2.5g
F:0.3g
C:37g
鶏むね肉(100g)
カロリー:108kcal
P:22.3g
F:1.5g
C:0.1g
このように、同じ100gの食品でもPFCバランスの内訳によってカロリーに大きな違いが生まれます。
ですので、食事回数を減らしても食事の内容によっては摂取カロリーが多くなることもあります。
逆に、PFCバランスを理解することで摂取カロリーの内訳を把握できるだけでなく、栄養バランスの良い食事を意識しやすくなります。
これこそが、PFCバランスがダイエットや身体作りに欠かせない最大の理由であると言えます!
PFCバランスの計算方法
ここからは、PFCバランスの計算方法について解説していきます。計算方法の手順は以下4つです。
- 基礎代謝を割り出す
- 消費カロリーを割り出す
- 摂取カロリーを割り出す
- PFCバランスを決める
基礎代謝を知ることで、1日の消費カロリーが割り出せます。また、消費カロリーを把握することで、摂取すべきカロリーが明確になります。
あとは、摂取すべきカロリーの範囲内で、PFCをどれくらい摂るか決めれば、PFCバランスを理想に近づけることが可能です!
手順はたった4つですが、これだけでは何のことかさっぱり分からないと思うので、さっそくモデルケースの情報を基に実際に計算してみましょう!
【性別】男性Aさん
【身長】175cm
【体重】65kg
【年齢】35歳
手順①:基礎代謝を割り出す
まずは基礎代謝を割り出します。基礎代謝の計算方法はいくつかありますが、今回は以下の計算方法で計算します。
10 × 体重 + 6.25 × 身長 – 5 × 年齢 + 5
10 × 体重 + 6.25 × 身長 – 5 × 年齢 -161
上記に当てはめると、Aさんの基礎代謝は1,573.75kcalとなります。(計算式は以下参照)
なお、基礎代謝は計算方法によって多少の誤差はありますが、大幅にブレがない限りPFCバランスで調整が可能です。
計算が面倒な方は自動計算サイトを活用ください。
手順②:消費カロリーを割り出す
基礎代謝を算出したら、次は消費カロリーを割り出します。
なお、運動量レベルごとに係数が異なるので、必ず確認してください。
基礎代謝 × 運動量レベル = 消費カロリー
運動量レベルとは、普段の活動量を係数として数値化したものです。
ご自身の日常生活を振り返り、該当する係数を見つけてください!
Lv | 日常生活(状態) | 係数 |
---|---|---|
1 | ・在宅などで1日座っている ・あまりアクティブではない | 基礎代謝 × 1.2 |
2 | ・階段を積極的に利用 ・自転車で通勤/通学 ・軽強度の運動を週1-2回実施 | 基礎代謝 × 1.375 |
3 | ・1日中動き回っている ・中強度のトレーニングやスポーツを週2-3回実施 | 基礎代謝 × 1.55 |
4 | ・立ち仕事や重労働 ・高強度のトレーニングやスポーツを週4-5回ほど実施 | 基礎代謝 × 1.725 |
5 | ・高強度のトレーニングやスポーツをほぼ毎日実施 | 基礎代謝 × 1.9 |
上記に該当する運動量レベルの係数を、先ほど算出した基礎代謝に掛け合わせて消費カロリーを算出します。
今回は、Aさんが運動量レベル3に該当すると仮定します。
上記に当てはめると、Aさんの消費カロリーは2,430kcalになります。(計算式は以下参照)
手順③:総摂取カロリーを割り出す
消費カロリーを算出したら、次は1日の総摂取カロリーを割り出します。
なお、目的ごとに掛ける係数が変わるので注意が必要です!
係数に注意してね!
- ダイエット :消費カロリー × 0.8
- 現状維持 :消費カロリー × 1.0
- 増量(バルク):消費カロリー × 1.2
目的別の係数を消費カロリーに掛けます。今回はAさんの目的がダイエットと仮定します。
上記に当てはめると、Aさんの総摂取カロリーは、1,944kcalになります。(計算式は以下参照)
手順④:PFCバランスを決める
「目的に合わせた総カロリー」が算出できたら、あとはPFCバランスを決めるだけです!
以下を目安にそれぞれのカロリーを割り出し、最終的にg換算して、摂取量を算出します!
- タンパク質:体重 × 1.5倍〜2倍
- 脂質:総カロリー × 20〜25%
- 炭水化物:総カロリーからタンパク質と脂質のカロリー数を引いた分
最後にモデルケースの内訳をまとめているので、実際に計算される際はそちらをご参考ください!
モデルケースAさんのPFCバランス
さっそく計算してみよう!
- 情報 :175cm・65kg・35歳
- 目的 :ダイエット
- 総カロリー:1,944kcal
上記数字を使いながら、先ほどの摂取目安をもとにPFCバランスを決めていきます。
まずはタンパク質(P)からです。
タンパク質は、体重 × 1.5〜2倍が目安です。
65kg × 2倍 = 130g
Pは1gあたり4kcalなので、130g × 4 = 520kcal
→ タンパク質:130g(520kcal)
続いて脂質(F)です。
脂質は総カロリーの20〜25%が目安です。
1,944kcal × 25% = 486kcal
Fは1gあたり9kcalなので、486kcal ÷ 9 = 54g
→ 脂質:54g(486kcal)
最後は炭水化物(C)です。
炭水化物は、総カロリーからタンパク質と脂質のカロリー数を引いた分が目安です。
1,944kcal – 520(P) – 486(F) = 938kcal
Cは1gあたり4kcalなので、983kcal ÷ 4 = 234.5g
→ 炭水化物:234.5g(983kcal)
以上が実際の計算になります!
なお、炭水化物に関しては注意が必要です!
例えば、白ごはん200gに含まれる炭水化物は「約70g」です。
つまり、「白ごはん/600g=炭水化物/210g」となります。
235gの炭水化物を白ごはんに換算した場合、白ごはんを約670g食べることができます。
決して、白ごはんを235gしか食べれないわけではないので、注意してくださいね!
モデルケースを参考に、ご自身のデータを当てはめてみてください!
ぜひやってみてね!
まとめ
今回はPFCバランスについて解説しました!ダイエットで避けたいのは、せっかく継続しているのに誘惑に負けてしまったり、摂取した食材にどれくらいの栄養素が含まれているのかを理解できていないことです。
しかしPFCバランスが分かれば、たとえ高カロリーな食事を摂取してもある程度摂取カロリーのバランスを調整できるため、自分で修正が可能です。
ダイエットや現状維持など、目的に沿ったPFCバランスを設定して無理のない範囲で継続することで、食事や健康をより身近なものにしていただければと思います!
本サイトは情報提供ならびに知識向上を目的としたものであり、専門的な医療アドバイスを目的としたものではありません。
ご自身の健康・心身状態に何らかの懸念点がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。